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イベント

2022.08.23

【イベレポ公開】『ひきこもり・不登校の子ども達との過ごし方』勉強会を開催しました!

7月17日、「ひきこもり・不登校の子ども達との過ごし方」をテーマに、文京区で子ども・若者支援を行うさきちゃんち運営委員会とサンカクシャの共同開催勉強会を実施しました。
講師には、公認心理師、臨床心理士としてご活動されている緒方さんをお招きしました。
架空のモデルケースを中心に、具体的な事例を通して、どのような支援が求められているのかを鋭く解説。とても考えさせられる2時間でした。
会の中では、今までの日本社会において不登校やひきこもりがどのように捉えられてきたか、というお話から、関わる上で理解しておきたいことや実際の関わり方まで、詳細まで解説していただきました。


開かれた支援の形(不登校支援の歴史から)

「学校に行かないこと」に名前がつけられたのは、戦後間もない頃でした。当時は不登校ではなく、「長期欠席」と呼ばれ、親御さんが家業を手伝わせたいという理由で学校を休ませるような現象として認識されていました。その後、「学校恐怖症」「登校拒否」と、学校に行かない要因に対する理解のされ方によって、さまざまな呼ばれ方をされていきます。今広く使用されている「不登校」という名称になったのは、1990年代のことだそうです。
このような名称の変化が示すように、「学校に行かないこと」に対する理解のされ方は変わり続けてきました。現在では、多様な教育のあり方がある中で、学校という場所での教育に馴染まない子どもを指して、不登校の子ども、という認識がされるようになっています。
このような変化に伴って「学校に登校する」ことを目標とするのではなく、別の方法で「社会的な自立」に向けて支援していくことが重要視されるようになったと緒方さんは言います。

そのためには、学校外での教育、すなわちフリースクールやNPOなどと連携しながら、ご家庭に対する支援まで行っていくことが大切です。さまざまな組織、団体が協働しながら自立を支えていく形が求められているのです。


「自分らしく」生きていける社会へ(ひきこもり支援の歴史から)

「ひきこもり」は「不登校」より広い概念であると言えます。そのため、ひきこもりと言っても、その原因や実態は大変多様であるそうです。

不登校が広く認知され始めたのが、戦後間もない頃であったのに対し、ひきこもりに対する支援は、1990年代頃から本格化していきます。初めは、フリースペース運動として、特定の場所に来てもらうものが主でした。そこから、支援者側がお家に伺うという「訪問援助」ひきこもりの子どもを持つ親御さん同士をつなぐ「親の会」さらには就労重視の支援など、最良の支援の形が模索され続けてきたのです。
現在では、無理に社会とのつながりを作っていくのではなく、その人がその人なりに生きていくことが重要視されています。「自分らしく」生きていくことのできる状態を用意する。それが何よりも大切な支援のあり方なのではないでしょうか。


より良い関わりの創出に向けて

お話の最後には、実際の事例をもとにつくられた架空の事例を題材にどのような対応が考えられるかをお話をしていただきました。中学時代に学校にいくことができなくなってしまった子や、小学校入学後登校することが困難になってしまった子、30代前半でひきこもりになった方など、ご紹介いただいた事例は多様でした。
しかし、そのような多様な事例にも共通しているポイントがある、と緒方さんは言います。まずは、「本人のペースに合わせる」こと。無理強いするのではなく、本人の意志を尊重しながら働きかけることが重要です。そして本人のペースを踏まえて「働きかけるタイミングやバランス」を考えていくことも大切。本人のペースに合わせていても、気分や体調などによって、働きかけを受け付けないタイミングで活動を強いることは逆効果と言えます。
また、そのような適切な働きかけを支えることに必要なのが「普段のコミュニケーションやきっかけ」を活かすことのできるような関わりを実践することだそうです。

不登校やひきこもりの子どもにとって一番身近なのはご家族の方々です。しかし、身近であるが故にどのように関わるべきかが見えづらくなることもあるかと思います。周囲の人々と相談しながら、最善の関わり方を模索していくことが重要であることが強調されました。
社会に参画していくことが難しい若者たちとの関わりが多い我々サンカクシャも、当事者と同じ目線に立つことに終始するのではなく、周囲の人々との連携を大切にしながら、常に関わり方をアップデートしていきたいと思います。


今後も、サンカクシャとさきちゃんち運営委員会は、子どもや若者、生きづらさを感じる人たちへの支援に関するテーマで勉強会を開催していきます。

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